2009.12/07(Mon)

愛するひとのこと。 

わたしの母方の祖母は若いころとてもとても美しい人だったそうです。
竹久夢二の絵のようだった…とのことですが、写真では女優の毬谷友子さんと雰囲気が似ている感じ。

田舎に住んでいたころは村の若い男性たちが祖母をめぐって(本人の知らないところで)バトルしてたとか
働いていた場所の社長夫人がヤキモチやいてやめさせられたとか、親戚から聞く話はなかなかのもんです。


そして神戸・新開地…その当時とてもおしゃれな街だった…で働いていたころ 祖父に見初められて結婚しました。

祖父は…というとこれまた男前で 今ならジャニーズ系とか言われたでしょう。
日本人離れした彫りの深い 甘~いマスクにくるくる天然パーマ。
外大卒で英語ぺらぺら・演劇とダンスが好き…しかも得意。

それはそれは女の子にモテたそうですが 
太平洋戦争中に軍隊にいたときは上官から酷いいじめを受けたそう…
西洋人的な容姿がきらわれたのでしょうか。


彼は40代で亡くなっていたので くわしいことは判りませんが 
2人の結婚はうまくいってたのか、今の私はちょっと考えてみたりします。

祖父は美しい女性が地味な格好でもくもくと働いているのを見、その貧しい生い立ちを聞いて
祖母に幸せな暮らしをさせたいと強く思ったらしいです。
 
彼はそこそこお金もあったしおしゃれな人でしたから、
美しい服を着せてダンスホールに連れて行くなどちょっと贅沢な楽しみを用意しました。
妻がどれほど美しいか、彼にとってどれほど大切か解ってもらいたかったのでしょう。

ですが、それは祖母には合わなかったのかな…という話もきいています。

5歳の時に父(私の曽祖父)が亡くなり母(曽祖母)と引き離され 
だっこされることも甘やかされることもなく家事と野良仕事に明け暮れ 
ドロドロになってもくもくと働くことしか知らない。
女の子だという理由で(他の多くの女性たちがそうだったように)学校に行かせてもらってないから
字もロクに読めない。
あまりに美しいせいで行く先々でヤキモチやかれて、
口下手で気が弱いせいでそこを乗り切っていく強さがない。何があっても泣くしかない。


さあ外にでましょう、きれいにしましょう、と言われてもその良さを理解できないから受け入れられない。
受け入れられないことは楽しくない。
そして思う…私なんてどうせ○○なんですから。こんな美しいことを受け入れる資格が無いんですから…

男性は自分があげたいと思ったものを喜んで受け取る女性を愛するようですから、
祖父の胸中を考えると複雑な感じです
そしてやはり祖母が可哀想でたまりませんでした。



私が知っている祖母はとても地味で謙虚、そして優しい人でした。
いつも自分のことは後回し、家族のことを優先していて大変だな…と。
昔の女性は本当に偉い。私のおばあちゃんもとても偉い人だとよく思いました。







祖母は6年前に亡くなりましたが、最後の2年ほどは現在の時間感覚や状況などを把握し難くなっていて、
代わりに過去のことを思い出すようになり、時々話してくれました。

ある日神戸で働いていたころの話をしてくれました。
あの当時、町で見かける中国人女性はよくお国の民族衣装を着ていた、と。

「ピンク色の、横のところが割れたワンピース…チャイナ服っていうのかな」

本当に美しかった…と少し遠いところに視線をさまよわせながら言うと

「あれがとても着たかったのよ」

と続けて言いました。にっこりしながら。


それを聞いた途端 胸のあたりがきゅ~っと痛くなって 私の眼からは涙がぽろぽろこぼれました。


働くことしか知らなかった娘時代、美しいドレスに恋しつつ それでも働くことしか知らず
差し出される美しいものや優しさも受け取り方を知らず
社会が許しても状況が許しても 自分で自分を許せなくて
わたしなんてどうせ わたしなんてどうせ わたしなんてどうせ
そうやって自分を傷め続けて その方法しか知らなくて

認知不具合の状態になってからやっと「欲しい」と言えたなんて
なんて悲しいことなんだろう。



そんな祖母をみながら私の頭に浮かんだことは

過去に日本人は国家ぐるみ共同体ぐるみで
すべての女性にこのような自虐的といってもよい人生観を植えつけてきたのだ
女性をくいものにして生ずる負の悲しみのエナジーを食ってこの国の民は生きてきたのだ

と なぜかそういうことでした。


そういえば、竹久夢二の描いた女性たちはみな華奢で 強く結んだ帯で身体が大きくたわみ、
華奢なのに手だけが大きいのが特徴。

場所をとらない しめあげられても抵抗せず 大きなごつい働き者の手をもつ昔のおんなたち。
夢二は天才でしょう…あれらの絵を見れば時代の一部がよめるのです。




もし叶うなら
祖母をわたしが産んで、もう一度誕生させてあげたいです。
思いきり甘やかして勉強もしっかりさせて、美しいもの可愛いものいっぱいで包んで
愛や光を受け取るアンテナ…大きな大きなアンテナをもつ人にしてあげたい…

おばあちゃん、あいしてる。




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